ぽっぽっぽー創刊号

おしらせ

Poppop報──「ぽっぽっぽー」

それはある日、雛が卵から孵るように人知れず、しかし確かに誕生した。

飛翔せよ。雛はその宿命に従い羽ばたく。

たとえその空に、あまたの困難が立ち塞がっていたとしても──!

 

……? よくわかりませんが、孵りました。ぶろがーぽけもん☆ぽっぽです。

爆誕してみましたが特にお知らせすることのないタイミングです。爆誕する時期を間違えたかもしれない。なにか事件があって爆誕したのならそこからストーリーが始まりますが、なにも事件がないところからストーリーを始めるには相当なエネルギーが必要です。つまり、記事のネタというのは爆発なのです。爆発によるエネルギーは物語を押し進める、これが創作の力学だとすると、爆発のないところから物語を押し進めるには爆発に相当するエネルギーを別の手段で発生させるしかありません。それは創作者自身のエネルギーを物語に注ぐようなもので、しかし今の若輩ブロガーぽっぽにはそれだけのエネルギーをどのように放出すればいいのか皆目見当もつきません。ならば基本に立ち戻り、どんな小さな事件でも記憶の深淵から掴み出して壮大なネタへと昇華させるしか手がありません。思い出すのです、ぽっぽ。毎日がSpecial。ありふれた日常にも、路傍の花のような、美しく気高い「特別」がきっとある。

そんな私の脳裏を過ぎったのは、椅子でした。そう、椅子です。四つ足の、人が腰を据えて作業するための、ほんの小さな椅子です。一人暮らしを再開して早半年。半年間、わたしは椅子なしで生活していたのです。すなわち、わたしはラップトップとタンブラーを置いたら途端に窮屈になってしまう小さな昇降式のテーブルを座卓代わりに、半年間生活してきたのです。それが不自由だと思ったことはありませんでした。ただ、広さと家賃に釣られて飛びついたこの軽量鉄骨の安アパート、フローリングの床が非常に冷えます。秋も深まったころ、膝下から床へと奪われていく体温を惜しんだわたしは立ち上がりました。今こそ、椅子が必要だ、と。

思い立ったが吉日です。ショッピングモールの一角を牛耳るお値段以上の家具屋さんへ向かったわたしはダイニングチェアを探しました。確かに、たくさんの椅子があります。しかし、わたしはそれらが自分の部屋に設置されている様を想像できませんでした。さらに言えば、自分の部屋の、リメイクシートで汚れを隠して使い続けている昇降式のテーブルに対して、それらのダイニングチェアはあまりに立派すぎると感じました。そこに並ぶダイニングチェアには、セット販売もされるダイニングテーブルがあります。それらがダイニングセットとして並んでいる、その姿はまさに三位一体。さらに現実的なことを云えば、おそらく巨大な倉庫は備えていない店舗だからでしょう、ほとんどの品がお取り寄せ品でした。それでは待っている間にわたしの気持ちも身体も冷めてしまいます。わたしはむなしい気持ちでその場をあとにしました。けれど、誰かを責めるわけにもいきません。ダイニングチェアは、わたしが背負うには重すぎる品だったのです。

ならばせめて、床での生活を少しでも楽にできるよう、座椅子かクッションでも見て帰ろう。クッションのコーナーを探していた私の目に、ひとつ輝くものが映りました。浜辺を散歩しているときにみつけたシーグラスのような、特別な価値がある宝石ではないけれどきれいなもの。わたしにとってはまさにそれでした。

折り畳みチェアです。わたしの小さな昇降式テーブルにもちょうどよいサイズの、黒いアイアンと木目調の板でできた簡易的な椅子です。わたしの胸は高鳴りました。これこそまさに、わたしが探し求めていた椅子だ!と。座り心地は堅そうですが、ちょっとよいクッションを置けば我慢できないことはないでしょう。おまけに、在庫がたくさんぶら下がっています。即戦力です。わたしはこの折り畳みチェアを採用し、我が家に招くことを決めました。

いまのところ、折り畳みチェアはよい仕事をしてくれています。クッションを置くと少し高さがある点は、逆にパソコンとにらめっこをする際に適切な姿勢を保つのに役立っています。なにより、膝下から体温が逃げません。わたしにとって、これはもっとも素晴らしい効果でした。椅子のある生活、なんて快適なのでしょう。この買い物は、わたしの一人暮らし史に残る画期的な出来事となったのです。

 

……折り畳みチェア一脚を向う見ずにもここまで盛り上げましたが、果たしてどれだけの読者様がこのテンションを受け入れてくれたでしょうか。とても怖いです。ですが文章を書くのは楽しいです。

そうそう、お知らせすべきことを一つ思い出しました。今後のイベント参加予定です。

  • 【文学フリマ広島5】2023年2月26日(日) 10時~
  • 【文学フリマ東京36】2023年5月21日(日) 12時~

上記のイベントに「ライトでポップ、ときどき真面目な文芸サークル・逢初屋」も出店を申し込みました。カテゴリはエンタメ・大衆小説で、まほつかシリーズや文化祭アンソロをあるだけ持参するつもりです。新刊は……検討中です。

今後もあること&ないこと&創作のこと、たまに呟けたらと思います。

以上、ぽっぽっぽー創刊号でした。

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